ケータイ小説 野いちご

キミノカケラ〜群青色の空と君と〜

人生の砂時計


◇◆◇


「海だー!」



数日後、私達は電車を乗り継いで海に面した街に来ていた。


電車の窓から見渡す限りの海は、キラキラと輝き、私達を出迎えてくれてるように見える。



「サチ、次降りるよ」



私のはしゃぎっぷりにクスクスと笑いながら言うシュウ。


髪を黒く染めて短く切ったシュウは印象がガラリと変わった。

男らしくて、一気に大人びた感じがする。私と一つ違いとは思えないほどだ。


金髪のシュウも好きだったけど、今のシュウの方が私は好き。



「ねぇ、私変じゃない?」



この日のために新しく買った濃紺のワンピース。リサちゃん人形の服を売って得たお金で奮発してみた。

背伸びをして少しでも大人っぽく見えるような服を選んだつもりだけど、こういう服を着た事がないからちょっと不安だ。

他の人から見たら私はどう見えてるんだろう。



「変じゃないよ。サチはいつも可愛い」



ストレートなシュウの言葉にボッと顔が熱くなる。

もう……シュウにそんなこと言われたら、心臓が爆発しちゃうから止めて欲しいよ……


電車を降りて改札を出る。



「ここから少し歩くよ」



シュウは私のボストンバッグをさりげなく奪うと、それを肩に担いで私の数歩前を歩く。


太陽の光がシュウに当たって、たまに吹く海風が短くなった黒髪をサラッと靡かせる。


本当にかっこいい……
ドキドキする。


広い背中。私より十センチも高い身長。

同世代の男子と比べるとやや華奢な方だけど、私には逞しく見えた。


シュウは私とは違う。
立派な男の子なんだ、と思い知らされる。




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