ケータイ小説 野いちご

キミノカケラ〜群青色の空と君と〜

淡い初恋



その日から、私は毎日シュウの所へ通った。


歌を聞いてシュウの仲間と話をして、どんどんシュウに惹かれていく自分がいた。


シュウの笑顔は眩しい。
友達に囲まれて、いつも中心にいる。
その時その時を大事に精一杯楽しむシュウから目が離せなかった。


シュウと一緒にいる時間は充実してて、私の人生が潤ってく。そんな感じがした。



あれから母親とは顔を合わせていない。

私がシュウの所に行ってる時に何回か帰ってきてるみたいだけど。


学校にもほとんど行かなくなった。

髪を染め、化粧を覚えてお洒落をして。
少し自分の身なりを変えただけなのに、気持ちは凄く晴れやかで清々しかった。



楽しい時間はあっという間に過ぎ、十一月も中旬に差し掛かった頃。


珍しく広場にシュウの姿がなかった。

シュウはまだ病院に入院している身だ。

何か容態に急変があったのかと気になったけど、シュウの家も連絡先も、入院してる病院すら知らないからどうすることも出来ない。

こんなことなら連絡先ぐらい聞いておけば良かった……
私はスマホを持ってないし、此処に来れば当然のように毎日シュウに会えたから、敢えて電話番号を聞くなんて思いつきもしなかった。

シュウの相棒のナオヤに連絡してもらっても、シュウは電話に出ない。


居ても立っても居られなくなった私は、一人広場の入り口付近の柵に腰を掛けてシュウが来るのをひたすら待った。すると。



「サチホ。ちょっといい?」



広場仲間の一人、ストリートダンスを得意とするカエデさんに声を掛けられて「何?」と振り返った。




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