ケータイ小説 野いちご

キミノカケラ〜群青色の空と君と〜

期待と不安


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休日の公園は、家族連れで賑わっている。

ボール遊びやバドミントンをする親子。
アスレチックではしゃぐ小さな子供達。転んで大泣きする弟の頭を優しく撫でるお兄ちゃん。

微笑ましい光景が広がる中、私達の間には重苦しい空気が流れていた。


ベンチの端と端に座る私とお父さん。
そして、少し離れた隣りのベンチに座るシュウ。

待ち合わせをしてから数分、何から話せばいいのかわからずただ時間だけが過ぎていく。


ちらりとお父さんに目をやる。

出て行った頃と比べると、白髪が生え、目元に皺が出来、痩せたというか少しやつれた感じがする。

九年の月日が大きく長く感じて悲しくなった。


そりゃそうだよね。
小学校低学年だった私が高校生になってるんだもん。

長く感じて当然だ。


そういえば、今日はナオちゃんの姿が見えない。

公園で待ち合わせだったから、てっきり連れてくるもんだと思ってそれなりに覚悟してきたつもりだったんだけど。

ナオちゃんのお母さんの所に置いて来たのだろうか。



「サチ。今日は来てくれてありがとう」



私が頭の中であれこれ考えていると、お父さんが先に口を開いた。



「ううん。こちらこそ……忙しいのにごめんね」



緊張で声が震える。

公園に響く笑い声で、私の声がお父さんにちゃんと聞こえてるのかさえ怪しく思えるほど声が小さく上擦ってしまった。




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