「ふぅ…」
俺、山崎丞は苦無を研いでいた手をとめ一息を着いた。
少しあいていた障子から冷たい風が吹く
「さぶっ。」
俺は腕をさすりながら障子を閉めようと立ち上がった。
なんで七月なのにこんなに寒いんだ?
そんな疑問をもちつつも障子に手を掛けた時ふと視界に月が輝いていた。
とても綺麗な満月だった。
俺は思わず見とれていた。
「…少し外出てみるか。」
何故か俺は外に出て見たくなったんだ。
俺は何かに導かれるように静かに屯所の外へと出た
俺は無我夢中で歩いていた。
気付いたら焼けた御所の前まで来ていた
つい昨日のように鮮明に思い出す。