一歩外へ出ると、そこはいつもの如く死体の街だった。

異臭と同時に目に入る紅く染まる人々、白骨化してる者。
果たして趣味なのか、暇潰しなのか、飽きもせず殺しまくる殺人者。

悲鳴と共にバタリと聴こえる音。
目を伏せたくなる。

その景色と臭いで気分が悪くなりかけてた時、1人の少女が見えた。
酷く怯えた様子で、涙ぐんでまでいた。

「まだ…死にたくない。嫌だ…」

…まさか…!
横を見ると、そこにはやはり殺人者がいた。

「…ちっ」

少女が目を閉じて諦めかけた時、

「炎魔法…。くたばれクソ野郎!」

魔法を発動し、殺人者を気絶させる。
俺だって、人殺しはもう2度とゴメンだからな。

「…いたいけな女の子を殺すなんて、最低だな、お前」

男が完全に気絶したのを確認し、少女をこの殺人者から離すことにした。


「あ、あの!」

「ん?」

「さっきはありがとうございました。女の子なのに、強いんですね…!私、近藤蜜柑といいます」

「近藤…」

もしかしたら、こいつは…俺の仲間なのかもしれない。
俺は、直感でそう思った。