気が付くと嵐は見知らぬ土地で仰向けになって転んでいた。


随分寝ていたみたいだ。
寝すぎて頭が痛い。



その時、どこかで聞いた声がした。

｢この世界で生きる為に勝ち続けてください。私は貴方の活躍を常に見てますよ｣


この声の主は嵐と話をしていた巫女さんの声である。


しかし、その声の主はどこにもいない。

声が嵐に聞こえているだけであった。



(何なんだあの巫女さんは…。アレが神なのか、もしくは仏なのか？まさか悪魔？)


嵐は頭の中で色々考えてもよく分からないので街に向かって歩き始めた。


ちなみにこの世界の簡単な地図は嵐のズボンのポケットに入ってあった。


地図を見る限り、嵐がいる場所は｢和の国ヤマト｣と言う国のど真ん中の草原らしい。


この草原を東に行くと町があるみたいだ。



まずはその町を目指して嵐は歩き始めた。



しばらく歩いて嵐は気が付く。

この世界はあまり文明が発達していないと。



しばらく歩いたが、いくら歩いても草原ばかりで電柱や道路、ビルや車といったものがまるで無い。



同じ様な景色を観ていても詰まらないので嵐はポケットに入れていた煙草を取りだし、口にくわえてライターで火をつけた。



｢ふぅ…｣

嵐は鼻から副流煙を出して、気分を落ち着かせた。






煙草を吸い終わり、歩くと明らかに今までとは違う景色が見えてきた。


遠くに見える建物を見る限り、町だろう。



嵐は駆け足で町へ向かって行った。