ケータイ小説 野いちご

ツンデレ彼女の遠距離恋愛


「帰りたく……ない、」



呟いた私の声はステレオから流れるデスメタルに掻き消された。



「んー?花音ちゃん、なんか言った?」



首をかしげる運転席の男は、キョトンとした表情。


それがまた女子の私よりも可愛いとか、どういう事!?


っていうか、こんな近くにいるんだから聞こえてたでしょうに!


内心毒づきながら、でも私は、



「何も言ってないから」



返事した。


空港の駐車場、エンジンだけ切った車から流れ続けるデスメタル。


だから、あんた、顔に似合わないからね!


ふわふわ可愛い系イケメンの彼、音(おと)くんをちらりと見上げれば、彼はやっぱり可愛い顔して首をかしげた。


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