一学期中、お母さんは私を休学させてくれました。
何度か吉田先生にも会って、いろんな話をしました。
お母さんはその席で、支援学校への編入ができないか…と尋ねてた。

「いろいろと条件が満たされないとできませんから……」

吉田先生はそう言うと、私の気持ちを確かめました。

「ののかちゃんは、どうしたい?今の学校へ通い続けるのと、支援学校へ編入するの。どっちが自分が生きやすいと思う?」

支援学校というのが、どんな所か分からないから悩みました。
今さら、訳も分からない所へ飛び込むのも不安でした。

「…私……今の学校でいいです……知ってる子もいるし……皆、知らん顔だけど……1人でも大丈夫…って、分かったから……」


あの家出で、1人でも平気だってわかった。

ムリしてクラスメートの輪に入らなくても、自分の好きなことをしてればいい。
それで誰かに迷惑をかけなければ、教室にいても「こどく」じゃなくなる…。


吉田先生は私の答えを聞いて、学校側と協力して支援していくことを約束してくれました。
お母さんは不安そうにしてたけど、先生の言葉は心強かった。

「大丈夫!ののかちゃんには、明るい未来が開けてます!お母さんがいて、ご家族がいて、本人がとても好きで、得意なことがありますから!」

将来に向けた話は、また次の機会にしましょう…と言い、吉田先生との時間は終わりました。
面談の帰り、お母さんはもう一度、私に聞きました。