次の日の朝、外へ出ると、きれいな朝焼けが広がってました。
夕焼けに似た色は頭の上辺りにまで広がってて、その色を見たタコさんが、こんな事を言いだしました。

「朝焼けのきれいな日は雨が降るんだ。だから今日は早いとこ仕事を始めないと……」

家に入りながら、キツネさんにその事を教えてます。

大慌てで朝ごはんの仕度が始まりました。
3人で作った朝ごはんは、しみじみ美味しく感じました。

食事の後、2人は急いで仕事の準備を始めました。
私は茶碗を洗った後、自分の描いた絵をちゃぶ台に広げました。

描いた絵は、作られてる神社の基礎と、キレイな夕焼けに染まる海と、鳥居の上にいた1羽のカラス。
キツネさんとタコさんの絵は描けませんでした。
動きのある人の絵は、何度描いても上手く描けないと知ってたからです。

準備の整った2人が食事する部屋にやって来ました。
私の描いた絵を見て、キツネさんがニヤリと笑った。
タコさんは大して表情も変えず、私の前に座って聞きました。

「…家に帰るのかい?」

持ってきたバッグを脇に置き、干してた服を詰め込み、家を出てきた時と同じ格好をしてました。
それを見て、タコさんはそう思ったみたいでした。

「はい。家に帰ってもう一度、お母さんと話をしようと思います…。私の気持ちを分かってもらえるかどうかわからないけど……皆の笑顔にまた会いたいと思うから…」

タコさんはしっかりと頷いた。それから優しい声を出しました。