「えぇっ、瀬ノ内君が…!?」


「……うん。」


「そんなことっ、有り得るんだ…。」


「私も、かなり驚いた。」


翌日の休み時間。


昨日の瀬ノ内君からの呼び出しが何だったのかを恵理子に聞かれ、あの雨の日の出来事を説明した私。


予想通り、恵理子からは驚きの声が零れた。


「それってさ、なんだか…運命的だね。」


「そ、そう?単に偶然が重なっただけだよ。」


運命でも何でもない。


「でもさ、偶然がいくつも積み重なったら、運命になっちゃうんじゃない?」


「えっ…」


真っ直ぐな視線を注ぐ恵理子に、言葉を詰まらせてしまった。


そんなわけ…ないよ。


多分……。


「由依と瀬ノ内君は、結ばれる運命だったりして…。」


ニヤリと笑う恵理子に、私はブンブンと首を横に振った。


「無い!絶対に無いよ!どう考えても有り得ないっ…!」


「どうして?“絶対に”なんて根拠は存在しないでしょ。」


「根拠がなくても、有り得ないよ。こんな…素直になれない私を好きになってくれる男の子なんて、いない…。」


どこにも、いるわけがない。