「うわー、ここの観覧車…デカいな。」
「そうだね……。」
クレープを食べ終えて、休憩した後。
私たちは観覧車にやってきた。
もうすぐパレードが行われるせいか、観覧車に並んでいる人は僅か。
すぐに、乗ることが出来た。
「観覧車ってさ、眺めが良くて…ガキの頃に乗った時、はしゃいでたな。あまり飛び跳ねるな…って、親に怒られた記憶ある。」
「遠くまで見渡せるから、楽しいもんね…。私も、はしゃいでた気がする…。」
少しずつ小さくなっていく人や建物。
ボンヤリと眺めていると、対面に座っていた陽希が少し前に身を乗り出して、私の手を握った。
「アイツらのこと、頭から離れないのか?」
「えっ…」
「クレープを食べた時に少し笑顔になったけど、その後…ずっと浮かない顔してるから。心の中に抱えてる辛い気持ちや苦しい気持ち、俺に何でも言えよ?由依の支えになりたい。」
切なげに揺れる陽希の瞳。
私は、躊躇いながら口を開いた。