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「痛い!離して!!」



第八倉庫から出て次に連れて来られたのは、さっきまであたしが居た第一倉庫の隣にある第二倉庫だった。


もしかして、あたしが十夜達に第一倉庫って言ったから?



「オラッ、入れ」

「……っ」

「大人しくしとけよ?すぐに中田さんが来る」


そう言った男はあたしに冷ややかな視線を向けると、部屋から出ていき、鍵をかけた。



……チッ、鍵かけやがった。


どうやら敵も色々学習したらしい。


部屋の中を見回すと、さっきの部屋みたいにソファーや机は何もなく、窓もない。


唯一置いているのは椅子一脚だけ。


「はぁ……」


取り敢えずその椅子に座り、顔を伏せた。



「十夜達どうなったんだろ……」



第八倉庫に居る敵はもう数少なかった。


あの人数なら倒せると思うけど、他の倉庫にも敵が待機している。


その敵全てが第八倉庫に行ったら……?



駄目だ。考えたくない。


十夜達は負けないと信じたいけど、中田の言う通り、人間には限界というものがある。


どんなに強くても体力がないと勝てない。