────…


「……ん……」


背中が、熱い……。


何でこんなに熱いの?



どうにかして回避しようと身を捩るけど、思うように動けなくて。


足に何か当たってる?


そう思うけど、苦しくて確認出来ない。


んー、眠たい……。

今何時なんだろう。


時計を探そうと目を開ければ、薄っすらと見えるのは手らしきもの。


なんだ。手か。


……って、手!?



驚きすぎて一気に目が覚めた。

と同時に左手に感じた違和感。



え、あたし十夜と手繋いでる?



今まで何度も一緒に寝たけど、起きた時手を繋いでるのは初めてだ。



……え、どうしよう。


これって外そうとしたら十夜起きちゃうかな?


でも、このままっていうのも恥ずかしいし。


どうしよう…。



繋がれてる手をジッと見つめたまま真剣に考える。


とその時。


「……っ」


背後から腕が伸びてきて、そのまま巻き付けられた。

背中から伝わる十夜の体温に、心臓がトクトクと主張し始める。



「……十夜?」


控えめに呼んでみるけど、十夜からの返答はない。


聞こえるのはスースーという可愛い寝息だけ。


寝てるとこんなに可愛いのに、起きると何であんなに愛想無くなるんだろう。



「………」


……っていうか、あたし、もしかしてずっとこの体勢のままなの?