ケータイ小説 野いちご

Ri.Night Ⅱ

23.別れまで



────…



貴兄と遭遇してから数日が経った。


十夜達と離れると決意したものの、それを告げる勇気がなかなか出ない。



頭では分かっていた。


離れなきゃいけないって。


だけど、心の隅で離れたくないと思っている自分がいて、なかなか次の一歩を踏み出せない。




納得のいく理由を告げないと十夜達は絶対に抜けさせてくれないって事は分かっている。


だから、この数日間、それについてずっと考えていた。



考えた結果、出た結論は『海外へ行く』というもので。


もちろん本当に海外へ行く訳ではなく、みんなを納得させる為の“嘘”だ。




一人暮らししているという今の状況で海外へ行くなんて結構無理があるけれど、それ以外に納得させる理由が思いつかないから仕方ない。


納得してくれなかったらその時は強行突破するしかないと思っている。



学校を転校して、マンションは引き払うつもりだ。



幸いな事にあの学校には中学校の同級生はいないし、真妃さん曰く情報?は厳重に守られているらしいからきっと家までは知られない筈。


まぁ、こんな自分勝手な奴、居なくなっても捜しになんてきてくれないだろうけど。









本当は転校なんてしたくない。


けど、離れた後に平気なフリして皆の居る学校になんて行けないから。


だから、離れる。



いずれバレて嫌われるもなら、今嫌われた方がいい。



今ならまだ諦められる。


芽生えたばかりの恋も、みんなへの友情も。




ツラいのはきっと最初だけ。


あたしが身を引けば全て上手くいくんだ。




──明日、言おう。



そう、心に決めて拳を強く握り締めた。



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