私は、先ほどの河原まで走ってきていた。


血が止まらない・・・。
結構深く傷ついてしまったんだろうか。


着物、汚れちゃった・・・。
せっかく鬼羅がくれたのに。




―その着物・・・。鬼羅がちぃちゃんにあげた着物によく似てるんだ




「でもこれも、私のためじゃ・・・なかったんだよね」




そう呟けば虚しくなるだけ。
どうしてこんなに、鬼羅に拘ってるんだろう。

出会ったばかりの鬼羅にこんなにも―――――・・・。




でも・・・。




私は着物を脱ぐと、川に着物を付けじゃぶじゃぶと洗う。
着物から溢れた血が川を赤く染める。

ズキズキと痛む方もお構いなしに一心不乱に着物を洗う。
こんなことをして何になるんだろう。


私が、必要とされるわけじゃないのに。





私の居場所が見つかるわけじゃないのに。