私は、そのまま琉鬼くんたちの小屋にお世話になることになった。
電気のない生活は、不便ではあるけれどなんだかのどかに感じて嫌いではなかった。



鬼羅は、相変わらず私を目の敵のようにしている。
必要以上に話そうとしないし、目も合わせようとしない。

それは、私が千代さんに似ているからなのか、私が人間だからなのか。


千代さんの事、私はまだ知らないことばかりだ。




鬼羅も琉鬼くんもどこかに出かけてしまって一人。
私は小屋の近くを散策していた。


二人以外にも鬼はいるみたいで、凶暴な鬼もいるから気をつけろって琉鬼くんには言われたけど、一人で小屋にいても暇だし。




私の住んでいた世界とは違って、空気もきれいで空も澄んでいる気がする。
緑が映えていて、とても綺麗だ。




「あ・・・・っ!」




遠くに見えたのは川。
緩やかなせせらぎに、キラキラと太陽を反射する水面。


靴と靴下を脱ぎ捨てて、浅瀬に足を付ける。
ヒンヤリとして気持ちがいい。



そういえば、お風呂にも入れてないし、服もずっとこれを着たまま。
仕方ないけど、洗いたい。



・・・はいるか。
今はいつくらいだろう。
暑いから、上がって転んでたらそのうち乾くかな?

汚いままよりはいいかな。
私は意を決してそのまま川の中に入っていく。