ケータイ小説 野いちご

椅子獲りゲーム

始まった椅子獲りゲーム

ん~。今日も風が気持ちいい。

つい先日まで桜が舞っていて、

辺り一面ピンク一色だったのに、

今は新緑で埋め尽くされている。

ここは、運動部も文化部も

盛んな夜美先高校。

私は、愛辺 御夜。

陸上部に所属してて、

去年は全国3位までとった。

そんな私が好きなのが、

2年連続で同じクラスの新藤 拓也。

テストはいつも満点で、

テニス部の期待の星。

もちろん、容姿も良い。

何でも出来る。

私は拓也に、

もーれつアタック中なんだけど、

「ごめん。ちょっと無理かも。」

って言われたorz

まさに前途多難って感じ。

「おはよ~。
今日は機嫌が良さそうだね~。」

「おはよ。今日はね、

お母さんがケーキ買ってきてくれる
って言ってくれたんだよ」

そんな風に話すのは、親友の優香。

おっとりしてて、メッチャカワイイの。

お祖父さんが外国人で

優香曰く茶髪がコンプレックスらしい。

そんなこんなで学校についたのが

HRギリギリだった。

なんでかっていうと、

職員室に呼び出されてたから。

もう、過ぎたことなんだしいっか。

そう言えば、菜摘今日休みなんだ。

菜摘はバリバリの運動系で、

学校を休むなんて事は無かったハズ。

今日は、

何か悪いコトが起こりそうな予感がする。

そんな事考えながらも

隣の席を不意に見てしまう。

っ今日も拓也かっこよすぎ!!!

拓也を見ていると、

先ほどの暗い考えが

一気に無くなっていく気がする。

少し柔らかい印象を受ける

緩やかなカーブと、

無造作にセットされた黒い髪に、

ピョコンと跳ねている毛。

まるで、

完璧に設定されてるみたいなんだけど、

拓也はそれがデフォルト。

てか、寝てたんだ。

お喋りのせいで聞こえなかったけど、

規則正しい寝息が微かに聞こえる。

こう言うのも良いんだよね。

ふと、窓の方に目をやると、

物凄い勢いで、

なにかが落ちていくのが見えた。

一瞬思考が止まって、

正気に戻ると、

クラスメート達が悲鳴をあげていた。

窓の外を見てみると、

コンクリートに

赤い何かが水溜まりのように

沢山流れていた。

良く見てみると、

今日は欠席だったハズの、

菜摘が恐ろしい形相で、空を見ていた。

喉がカラカラになって、

叫ぼうにも叫べなかった。

いつの間に起きていたのか、

拓也が考え事をしているような顔で、

横たわっている菜摘を見下ろしていた。

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