今日もいつもとかわらぬ朝が来た。

昨日、小坂君とちょっとだけ話せたことを咲来達に伝えるとみんなは
『よかったね』
と優しく微笑んでくれた。

今日は金曜日…
土日があって小坂君と会えないことが悲しくなった。

和歌はその時本当に自分は小坂君のことが好きになったんだと思った。

和歌は小さな声でつぶやいた。
『土日なんか来なくていいのに…』
と…。


そして金曜日は何も起こらず土曜日の朝が来た。


和歌のお母さんが朝ごはんを一緒に食べながら話しかけてきた。

和歌のお母さん
『和歌、お願いがあるんだけど…』

和歌は笑顔で
『なに?お母さん』
と、答えた。

和歌のお母さん
『今日は急な仕事が入ってるから
 スーパーで買い物をしてきてほしいの。』

和歌は今日なんの用事もなかったので
お母さんの頼みを受けた。


お母さんが仕事に出かけると同時に和歌は大きなスーパーで買い物をするのと同時に服屋さんに行くことにした。

和歌は服が大好きなのでとても楽しかった。

その時遠くから聞き覚えのある声か聞こえた。


その声は小坂君だった。

驚いた和歌は一瞬固まった。


『これはチャンスかも!
 距離を近づけたい!友達になりたい!』
和歌は心からそう思った。


和歌は一呼吸して小坂君に話しかけようとしたその時。


小坂君が振り向いて話しかけてきた。
『あれ?
 河東?』


和歌の脳内は喜びでいっぱいだった。
『お、お、小坂君が私の名前を覚えてくれてた!!』

つい、嬉しすぎで声がもれていた。

小坂君は笑いながら
『当たり前じゃん
 隣の席になったばっかじゃん。
 小4のときのこと忘れてたこと
 本当にごめん。』

そういってくれた。

和歌はとても嬉しかった。

『ねぇ!
 河東』

小坂君が喜んだ顔で話しかけてきた。

『河東、それ…』

小坂君が指差した先は私のかばんについているお気に入りのキーホルダーだった。

『このキーホルダーがどーしたの?』
和歌がそういうと小坂君が笑いながら話しはじめた。

『そのくまのキーホルダー
 俺も持ってるんだ!
 なんかこのつぶらな瞳がかわいくて。』  

小坂君は恥ずかしそうに顔に手をあてて話した。

『もしかして小坂君、キャラクター好きなんだ!』

『うん!めっちゃ好きだよ!
 河東が持ってるなんて思ってもなかったよ』


和歌は友達になるチャンスだと思った。

『小坂君』

『なに?』

『私とともだちゅになって
 …欲しいです…』

和歌はあまりの緊張で舌を噛んでしまった。

小坂君はクスクスわらって
『河東って面白いな!
 いいよ、友達になるぜ』
笑いながらだったけど和歌はとても嬉しかった。


『メール交換して?』  

『いいよ』

和歌と小坂君は晴れて友達になりました。