「~♪~~♪♪」


早朝7時。

朝の稽古を終えた私は、上機嫌で朝食を作っていた。


『……今日は機嫌がいいね、どうしたの?』

「――修哉さん!」


作ったばかりのお味噌汁をお汁茶碗によそっていると、台所にやってきた男性に後ろから声をかけられて、ちょっとビックリしたものの、機嫌が良い私はニコッと笑顔を返した。


『おはよう。』

「おはよー!もうご飯出来たよ~、顔洗った?」

『今、行ってくるね。』


あ、忘れてた、と顔に書いた修哉さんは、顔を洗うために洗面所へと向かっていった。

そんな彼の背中を見送って、朝食の準備を進める私は、石川 遥。もうすぐ16歳になる高校1年生。

……っていっても、私の誕生日は1月だからまだ半年以上あるんだけど。