side.紗絵


・・・眠れない。


寒いわけじゃないのに、体が震えてしまう。


暗闇が、怖い・・・。


消灯時間を過ぎて部屋の電気は消されてしまってる。


唯一の灯りであるベッドサイドのオレンジ色の光は、なんだか心許なくて・・・。


目を閉じると、息苦しい。


あの狭い空間に閉じ込められたとき記憶が真新しすぎて・・怖くなる。


真っ暗で、身動きが取れなくて、息苦しくて。


パニックになってしまっていた。


叫んでも、タオルに声が吸収されちゃうし。


必死にもがいても、全然出られそうもなかった。


どんどん暑くなって、どんどん息が苦しくなって・・・。


もう、ダメだって思ったのに。


コウくんが、来てくれた・・・。


あの瞬間、色んな気持ちが混ざり合って何がなんだか分からなかったけど。


とにかくコウくんの傍で安心したかったの。