嵐の話を聞き終えた俺は、月奈の首筋に深い傷がある事に気が付いていた。


嵐が言っている事はきっと全部本当の事だ……。


だから今、月奈の死体が目の前にあるんだ。


信じられなかった。


行方不明の月奈が、まさかこんな形で発見されるなんて……。


あまりの出来事にメマイを感じ、俺は壁に手をついた。


「人殺し!!」


百合が泣きながら叫んだ。


「お前だって、俺の体を切り刻んだだろうが」


嵐がそう言い、おかしそうに笑った。


なにがおかしい。


百合のしたことと、自分のした事が同じだとでも言いたいのか。


違うぞ。


全然違う!!