それから俺は良に車と毛布と、自分たちの着替えを準備してくるように指示を出した。


毛布は月奈の死体を隠すため。


着替えは制服姿のまま車を運転するワケにはいかないからだ。


良が一旦家に戻っている間、俺は月奈のオーバーニーソックスを脱がした。


そしてそれを月奈の首にキツクまきつけ、血を止めた。


それから床にたまった血を丁寧に拭き取り、カッターナイフは落ちないように上着の内ポケットにしまった。


すべてが完了した時、良がバタバタと足音を響かせながら戻って来たので、俺は「もうちょっと静かに行動しろ!」と、小声で怒鳴り付けた。


良の手には毛布が握られていて、俺はそれを奪い取り月奈の体に被せる。


あとは月奈を外へ運びだし車に乗せるだけだ。


だけど、それが最大の難関だ。


校内に生徒の姿はほとんどないが、教師たちはまだ残っている。


それに警備員もいる。