その日は休日で、俺は1人遊びに出ていた。


大学入試や就職活動がまだ残っている連中は今日も必死で勉強やらなんやらと忙しいらしいが、


親戚の工場に就職することが決まっている俺は1人で暇を持て余していた。


親戚の工場で働く事は高校に入学した時点から決まっていた事だったから、俺にとって高校生活は遊びの場でしかなかった。


どれだけ成績が悪かろうが、態度がデカかろうが、就職に支障はなかった。


工場内での仕事はほとんどが力仕事のため、高校を卒業さえすれば雇ってもらえるという条件付きだったんだ。


そのため、俺は高校の3年間をかなり我儘に過ごしてきた。


ムカツクやつがいれば力でねじ伏せ、すぐに手をあげた。


それが原因で何度か謹慎処分を受けたが、どうにか卒業はできそうだった。