ドアを開けた瞬間、俺の期待は見事に打ち砕かれることとなった。


「まじかよ……」


目の前に広がるキッチンに、思わずため息が漏れる。


ここは一体誰の家のキッチンなんだろう?


今までで一番広く、豪華なテーブルや椅子が並べられている。


中流階級よりも少し上、といった雰囲気だ。


彗の死体を残し全員がこちらへ移動したとき、誰かが息を飲む音が聞こえて来た。


「ここ……あたしの家のキッチンだ」


そう言ったのは春姫だった。


「やっぱり、そうだよね」


百合が頷く。


今度は春姫のキッチンか。


と言う事は、食材を使ったゲームはまだ終わっていないということか。