十月初旬、大会明けの月曜日。


「今日は練習はなしにする」


授業後、いつものように体育教官室に練習メニューを聞きにいくと、高田先生はそんなことを言い出した。

ということはオフかな......。
大会後だし、みんな疲れてるだろうけど、いきなりオフにするなんてめずらしい。


「練習はないけど、オフじゃねぇからな。
一年は自主練、二年はミーティングだ」

「ミーティング、ですか?」


てっきりオフだと決めつけていた私を見すかすように、先生は厳しい眼差しをこちらにむけた。


「ああ、お前たちチームワークが全然なってねぇぞ。
お前たち全員だ、特に......二年。
俺からはお前たちの何が悪いのかは言わない。
二年全員で話し合って、自分たちの何がいけないのか、これからどうしていくのか、自分たちで考えろ」


チームワーク、か......。
たしかに昨日までの大会はチームワークなんてあってないようなものだった。


先生も何かアドバイスくれたらいいのに、いつも俺からは何も言わないばっかりなんだから。

でも、先生から言われて直すんじゃなくて、やっぱり自分たちでどうするか考えなきゃだめなのかな......。


返す言葉もなく、分かりましたと返事をした。