九月下旬。
ザーザーと本格的に雨が振りだした放課後、体育館での仕事を終えてから、さほちゃんと二人部室の掃除をしていた。


「さほとしてはぶっちゃけあみ先輩は邪魔ですよ?さっさと、小野先輩でも三浦くんでもくっついてくれないかなって思ってますよ?
ついでに言うと、この機会に傷心の西川先輩につけいってモノにしたいと思ってますし。

だからってー、今の状態はおかしくないですかぁ?」


雨が降って少し肌寒い今日、長袖のピンク色ジャージを羽織って、ペットボトルをつぶすさほちゃん。


仮にも先輩に対して、邪魔って......。

可愛い顔してずいぶん辛辣なさほちゃんだけど、練習試合そして保健室での一件から全く話してない私とにっしーのことを心配してくれている。

さほとしてはラッキーですけど、全く話さないのはどうかと思います、と。


可愛い顔してやることえげつないし、辛辣だけど、はっきりとものを言ってくれるからこちらとしてはやりやすい。

そんなサバサバしてるさほちゃんだから、私も小野くんと今こうなって、にっしーとはこうと報告できた。さすがにキスしたことはふせたけども。