「夜にみんなでトランプやらない?」

「いいねー、みんなバットって持ってく?」

「夏大近いからね......、けどバットは持っていかない方がいいと思うよにっしー」


にっしー何言ってるんだ......。
せめてグローブとボールぐらいにしときなよ......じゃなくて、バットとか金属探知機にひっかかる以前に形状でアウトだからね。

修学旅行に危険物を持っていこうとするにっしーはともかく。

六月中旬、修学旅行を二日後に控え、教室と同じように、部室でも二年生はすっかり修学旅行ムードだ。


「あみ先輩行っちゃったら、三日間もさほひとりじゃないですかぁ。さみしいですー」

「ごめんね。大変だったらほら、ミッチー......三浦くんとか他の一年生にも手伝ってもらって」


あれからお姫様マネージャーのさほちゃんとも和解して、今ではすっかり仲良し。なつくと可愛いところもあるし、先輩先輩と慕ってくれているのは素直に嬉しい。

ただ......。


「はぁい、あみ先輩お気に入りの三浦くんですね。
あ、西川せんぱぁい。さほにもおみやげ買ってきてくださいね?」


露骨ににっしーにアピるうえに、私とミッチーをくっつけようとしてくるのがちょっと困る。