「おはよー!」


教室の後ろ側のドアから元気よく入ってきたにっしーは、男子たちに挨拶してから、窓際にいる私とゆっちに手を上げた。


「ねぇ、結局小野くんに告白しなくて良かったの?」


ゆっちはにっしーに手をふってから、にっしーと一緒にいる小野くんを一度見る。

それから教室の窓側カーテンにくるまりながら、こっそりとささやいた。


「うん、もういいんだ。なんかもう疲れちゃった。
二年生になったことだし、心機一転新しい恋でもするかなー」


私もゆっちにならい、同じようににっしーに手をふったあとにカーテンにくるまる。


二年生になり、新しいクラスになってから一週間。

心機一転とはいっても、その肝心のもと好きなひととまた一緒のクラス。

さらに、好きなひとの好きなひととも、今年もクラスが一緒の上、みやざきとまるいで、席まで近い。

ゆっちの彼氏のヒロくんは理系クラスだから隣の6組なんだけど、ゆっちとは今年も一緒。


けっこう一年生の時から同じクラスの人がたくさんいるんだけど、今年からは......。