翌日、午前11時。

日曜ということもあり、電車も水族館付近も人がいっぱいで、先にお昼にしようということになった。

水族館の近くの喫茶店みたいなところに入り、ランチセットを頼む。



「ここ、人いないけど大丈夫かな......?」

「なんで?話しやすいし、ゆっくりできるじゃん」



にっしーは私たち以外誰もお客さんのいない静かな店内を見渡してから、声をひそめる。


ここは水族館や映画館もあり、カップルや比較的若いファミリーの多いエリア。

他の人たちはファミレスかオシャレなイタリアンにでもいったのか、悲しいくらいに静かだ。



「そうなんだけど......」



にっしーはすでに注文したメニューを何度も見たりしまったり、水を何回もお代わりしたり、妙に落ち着きがない。



「にっしーは静かなとこ苦手だった?
私は騒がしいとこ苦手で、このくらいの方がいいんだけど、もし苦手なら......」



出る?と言おうとして、すでに注文してしまっているのに今さら出るのも失礼かなと思いとどまる。