ホームルームの時間明後日に控えたオリエンテーションの話し合いが行われた。

私達は班ごとに集まり係を決める。私達の班は全部で6人。男女3人づつ。


「それじゃあ係決めよっか。」

佐藤くんが口火を切ってくれた。

プリントを見ながら何かやりたい係ある?って皆に聞いてくれる。

小学生のころから皆に気配りが出来る佐藤くん。変わらないなぁー。なんて私は相変わらずプリントで顔を隠しながら話を聞いていた。

特に誰もやりたいものがないらしく話し合いがまとまらないでいると楓が、

「それならくじで決めたら?」


楓って口数少ないけど的を得た事いうのよねぇー。私が感心していると、

「そうだね、それじゃあ今からくじつくるよ。」

佐藤くんは嫌な顔1つせずテキパキとくじを作り私達に引かせた。

係は3つ。1つ目は飯盒炊飯の係。2つ目は美化係。3つ目はお化け屋敷係。

最初の2つはわかるけど、3つ目のお化け屋敷係ってなにするんだろう?

私が不思議に思っているとまさかのお化け屋敷係のくじを引いてしまった。どうか楓が同じ係でありますように。
心の中で必死にお願いしたのに楓は飯盒炊飯係になってしまった。

楓と一緒じゃないなら私は誰でもいいや。あっ、私が良くても相手は嫌だよね。後で一緒になった人に謝ろっと。

皆がくじを引き終わり各自自分の前に出す。

「あっ、早乙女さん俺と一緒にお化け屋敷係だね。」

確かに誰でもいいって思ったよ、思ったけどまさか佐藤くんと一緒の係になるなんて。

「はい、ごめんなさい。」

反射的に謝ってしまった。

「えっ、なんで謝るの?」

「あっ、そうですよね。ごめんなさい。」

また謝ってしまった。

だって佐藤くんに私と一緒でごめんなさい。なんて言いたくないもん。


「よーし、決まったかー。

それじゃあ今度は係ごとに集まれ。」

私は佐藤くんの後をついていった。気持ちの上ではすごく小さくなって誰にも気づかれないようにね。