「あの」

「はい」

私が顔を上げると私の目の前に居たのは
元カレの柏田修平だった。

「なんで」

なんでここに居るの?

私は、胸が苦しくなった。

「梨央久しぶり」

「お、お久しぶりです」

私は、柏田さんの目が見れなかった。

「少し話せないかな」

「私は、話すことなんて何もありません」

「少しだけでいいから」

私は、同じクラスの子に少しだけ頼んで席を外した。

「あの時はごめん」

柏田さんに頭を下げられた。

「謝らないでください。私は、許すつもりはありません」

「うん。分かってる…けどもう一度梨央とやり直したいんだ」

「ごめんなさい。私付き合ってる人がいるんです」

「知ってる。蒼でしょ」

え、なんで蒼のこと知ってるの?

「あれ?蒼から聞いてない?俺達兄弟なんだけど…今は、母方で神楽蒼だけど」

蒼と柏田さんが兄弟…なんで…

なんで言ってくれなかったの。そんな大事なこと…しかも柏田さんから聞くなんて

蒼は、知ってたんだよね。私が柏田さんの元カノだって…

知ってて近づいたのかな?

私は、なにを信じればいいの?