僕はみつる。
桐島 蜜流(きりしま みつる)。

僕って言うけれど
一応女だよ

名前も口調も女には程遠い僕だけど
こんな感じの方が案外子どもはよって来るのさ


実は僕は小さい頃から同性同歳の友達がいない

僕は黒髪で
小さい時なんかはマッシュヘア?とかいう奴くらいの髪の長さで
ボサボサだった

母親が女の子らしくしろっていうその言葉が嫌で
髪なんか人に触らせたこと
ほとんど無かった

そのせいもあってか
伸びに伸びた前髪はあまりいい印象を与えなかった

いわゆる陰キャラのような感じで
でも少し違っていて、男勝りで少しオラオラしてたかな笑

そんなで女の子の友達が出来るわけもなく
僕の幼少期は過ぎ去っていったんだ。

でも、ある時に声をかけてくれた奴がいたんだ
それが澤田 春弓(さわだ はるゆみ)。
同じ年で初めて出来た友達だった

「おまえ、そこでなにしてんだ。」
無愛想に立ったまま話しかけた春は
砂場で座り込んで遊ぶ僕を上からじろりと視線で刺した。

『砂で、川作ってる…だけだけど…
なに?』
その時の僕は無愛想に無愛想を返してしまった
やってしまったと少し反省するも拗ねた表情は後戻りができなかった
これは喧嘩とかになって殴りかかってくるかもしれないと

思っていたのだが……

「あまい。」


一瞬目を見開いて
息を吐くように『は?』と声を漏らしてしまった

「そこ。掘りが浅いから
カーブさせてもっと深くして別の道作って
その先にトンネルとか作った方がいい」

そうブツクサ言いながら
僕が遊んでいた砂場に入るなり足で軽く掘り始めた

『ちょっ!
僕が作った川だよ!勝手に触らないでよ!』

「おまえばかだなー。
ひとりで作るよりも
二人で作った方がこの川、よりさいきょーになんだぞ?」

そう言ってクシャっと笑う春を見て
僕は心が暖かくなるようだった

急にこみ上げた[ぽかぽかした気持ち]に
体が急いだ。

『僕と一緒に作ってくれるの?
遊んでくれるの?』
ガバッと振り向くと
びっくりしたように目を見張り


あたりまえだろ、鼻頭を擦りながら笑ってくれた