ケータイ小説 野いちご

初恋パレット。~キミとわたしの恋の色~

*2nd.pallet そらいろ*
ライン・レイン・ライン

 
百井くんに対する気持ちが〝恋〟なのだとはっきりと自覚して間もなく、本格的に梅雨に入った。

ひと雨ごとに雨のラインが鮮明に見えるようになってくる様は、ともすれば、日増しに膨れ上がっていく百井くんへの恋心を代弁しているかのようで、わたしはたまらず窓の外の雨模様から目を逸らした。


恋だと気づくまではなにも感じないけれど、気づいたとたんにぼんっと膨れ上がるのが、どうやらわたしの恋愛バロメーターだったらしい。

教室でちょっと目が合っただけで体温が上昇するような感覚になったり。

かと思えば、わかっていることなのに、わたし自身をモデルに絵を描いているわけじゃないんだなと胸が苦しくなったり。

恋をするとこんなふうになるなんて思ってもみなかったから、自分自身に戸惑う気持ちと、これからどうしたらいいんだろうという不安が、ここのところ、ずっと胸の中に同居している。


でも当然、誰にも言えない。

知られてもいけない。

百井くん本人にはもちろん、口は悪いけどいつも親身になって心配してくれる亜湖にも、美遥先輩や写真部の先輩たちにも、そして、実結先輩にも。
 

< 101/ 260 >