多希はすっごく真剣で、それに私も引き込まれるように無我夢中になって。


結局、「今日はもう帰らなきゃ」ってなった時には、二時間ぐらい経っていた。


あっという間の時間だった。


陽は完全には沈んでいなかったけど、辺りはだいぶ宵闇色。

窓から見えるパープルレッドの空に、オレンジやパールホワイトの灯かりが瞬いていた。