桜の花も満開に咲き乱れるこの季節に





私、神崎 るな(かんざき るな)は





ここ、青函高校(せいかんこうこう)に入学した。





志望動機は簡単だった




_行ける高校がここしかなかったから_





それだけである。




私の家庭は親が厳しく、私立には行かせてくれないから




一発合格が絶対条件だったのである。




けど、頭の悪い私は中学の先生から重々しい口調で




『この学校以外はおすすめ出来ません』




と、はっきり言われていまったのである




正直、その言葉を聞いた時は落ち込んだ




青函高校は県内でもバカ高で有名だったから




そんな所に自分が行くなんて絶望しかなかった。








親の車から降りて昇降口に向かって歩き




掲示板に張ってある自分のクラスを確認して




受付を済ませ、教室に向かう。




最悪なことに一年生は教室が四階にあるらしい




階段キツい・・・




これから毎日この長い階段を上らないといけないと思うと




自然と足取りも重くなる。




やっと階段を上りきり教室が見えた




私のクラスは一年五組だ。




ちなみにこの学校は普通科と商業科に分かれており




一、二、三、組が普通科
四、五、組が商業科




となっている。




私は、せめて就職に有利な商業科に行きたいと親に頼んで商業科にしてもらった




教室の前に着いた。




友達は出来るだろうか
クラスの人たちと馴染めるだろうか
勉強はちゃんと着いていけるだろうか




ドアの前に立った瞬間にもやもやが一気に押し寄せてきた




私はそのもやもやを打ち消すようにしてドアに手をかけた__________