桜が散り始めた4月後半。


騒がしかった教室も慣れと若干の余裕で騒がしさが増していた。


『ねー!A組の中原君超ヤバい!!!』

『購買の弁当どれが美味いか情報交換しよーぜ!』

『あれ、それ新作のCD!?貸してぇ!!』


内容はバラバラ。
しかし高校生らしいと言えばらしい。


「晴!!
どうしたんだよボーッと外なんか眺めたりなんてして」


「あぁ、ちょっと暖かいなって」


「そうか?
暑がりなだけなんじゃねーの?」


「うっせ、悠人だって鼻頭に汗かいてんじゃねーか」


「これ、さっき飲んだいろはすの水滴だわぁ~」


「お前鼻から水飲むんだ、こっわ」


「「あはっははは!」」



友達との馬鹿げた会話。
小突き合い。


その全てが高校生活の三年間の物語になる。


なにがしたいなんてビジョンはないが、自分の三年間だ。


それだけでワクワクする。
不安もある。


ただ、始まるからには全力で楽しもうと思った。