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小春日和。

小春日和




温かい陽射しに

窓の隙間からは心地よい風。


こんな日は、外にでるのにかぎる。


なのに私はいまだ、布団の中にいた。


その理由はたったひとつ。


__この私の背中にある温もり。


「ねぇ」


そう,後ろで私を抱き締める彼を呼ぶ。


『んー?』


すると寝ぼけ半分の返事が返ってくる。


「まだ、起きないの?」


そう問うと、少しの間のあと


『んーあともう少し。』


そう言って私を抱きしめる力を強め、
私の首筋に彼の唇が触れた。


すると、彼はクスクスと笑った。


私は寝返りをうち,彼と向かい合う形となる。


楽しそうに笑う彼を、私は訝しげに見る。


「‥‥なに笑ってるの?」


そう私が言うと、彼は今度は
正面から私をキュッと抱きしめた。


そんな彼は質問に答えてくれる様子はなく、
また,眠そうにそっと瞳を閉じた。


私は,なんだかなーと思いつつ
ひとつ溜め息を溢した。


そして、目の前の彼を見ると
彼の髪の毛が光に照らされて、
いつもより少しだけ明るく見える。


そんな彼の髪は
ふわふわと風に揺られている。


私は無意識のうちに
彼の髪へ、手を伸ばしていた。


そのまま温かい彼の頭を撫でる。


すると、また彼はクスクスと笑った。


『なぁ‥‥』


と彼が私を見つめる。


私は返事の代わりに首を傾げた。


そして、彼は


『‥‥幸せだな。』


と小さな声でそう言うと、優しく笑った。


「そうだね」


と私が言えば、彼はまた瞳を閉じた。




本日、小春日和。


だけども私たちは
まだ、布団のなか。


彼の温もりに包まれて、


__たまにはこんな一日も、悪くない。


そんなことを思いながら

私もそっと瞳を閉じた。






*end*


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