ケータイ小説 野いちご

デスサイズ

Episode4 すれ違い






「やかましいわ!! この異常者がああ!!!!」


怒鳴り声が聞こえ、部屋に閉じこもっている少女がビクリと肩を震わせた。


「お前は頭がおかしいんじゃ!! 病院に行けや異常者!!!!」

「イヤアアア!! あたし頭おかしくなんかない!! おかしくない!!!!」


少女が耳を塞いでも突き抜ける、両親の罵声。

「……っく……」

叫びたい気持ちを必死に堪え、静かに涙を流す。


「大声出すなや!! 変な噂がたつだろうが!!!!」


ガタン

ガシャン


激しく争ってるような物音が聞こえ、慌てて少女は扉を少しだけ開けて、隙間から様子を伺う。


「このクソ女が!!!!」

父親が、椅子に座っている母親の頭を強く殴りつけている。


1度だけではなく、何度も、何度も。


「クソ女! いかれ女!!」


拳を痛めたのか、疲れたのか、罵りながら父親が、母親と距離をとる。



「……アハハハハハハハハハハ!!!!」


突然狂ったように笑い出す母親に、父親も少女も心底驚いた。


「うるせえわ!! とうとう壊れやがったか!!」

激昂した父親が先程と同じように、母親の頭を殴りつける。

「アハハハハハハハ!!」

それでも母親は笑い続けている。


「病院に行けや病院にっ!!!!」

殴るのと腕を引っ張るのを父親が交互に繰り返す。


「いたいよぅパパ……いたい、いたい…」

笑うことをやめた母親が、枯れた声で痛みを訴えるが、父親の暴力は止まらない。


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