疲れきった部活帰り。

体は重くて前に進むのを拒んでる。

でも、その体に対して気持ちは早く家に帰りたかった。

重たい足をひきずってやっと着いた家はいつもより大きく見えた。

「ただいまぁ~。」

力が抜けて声が弱々しくなった。

「おかえり~。」

私の腑抜けた挨拶にしっかり返してくれる。
やっぱり家に待ってくれる人がいるって…

「ってぇ!何でお前がいるんだぁぁぁっ!!」

「お邪魔してます。」

おかえりと返事をして私の部屋に勝手に上がり、自分の部屋のように寝転びながら漫画を読んでいるこいつは山崎悠斗(ヤマザキユウト )。

幼い頃から一緒でいわゆる幼なじみってやつだ。私と同学年の高校2年生。

顔はまぁ、いい方だけど運動が苦手。コンピュータをかまうのが好きらしくて頭はのきなみいい。
それと無口無愛想な黒髪。猫系男子ってやつかな?


そんなおかしな私の想い人。