【杏菜side】
夏休み中は珀疾さんと初デートも出来たし、電話もメールもいっぱいした。
注がれる愛情は独り占め‼︎
中学の時の友達や千香にも、たっくさんノロケちゃったし‼︎
好き過ぎてヤバイの………。
夏休み明けの学校。
9月と言えど、まだまだ暑い……。
そんな中、HRでの議題は今月末に行われる学校祭について。
「学祭何やるぅ〜⁉︎」
「メイドカフェ〜♪」
「ぎゃははっ‼︎ありきたり〜‼︎」
どうせ一人ぼっちのあたし。
行事とかつまんないもん……。
学祭とか知らないしー‼︎
「先生…。頭痛いので保健室行って来ます…」
「大丈夫か、東雲。一人で行けるか?」
「はい。大丈夫です」
ごめんね、先生。
抜け出すための嘘ついちゃった。
あたしは小走りで、保健室ではなく美術室へ向かった。
大好きな先輩のサボリ場。
珀疾さんに会いたいの。
「失礼しまーす…」