【珀疾side】
特に何もする事が無くて暇してる午前中。
昨日からやっと夏休み突入〜。
せっかくだから、杏菜とどっか行きたいなーって思ったり。
アイツ何が好きなんだ?
とりあえず、ベッドの下に落ちてるスマホを拾って履歴から探し出した番号。
登録名は平仮名で『あんな』。
『もしもし‼︎珀疾さんですかっ‼︎』
「おう。つーか、お前めちゃくちゃ元気だな…」
『はい‼︎電話嬉しくって♪』
なんなの、コイツ。
可愛過ぎんだろ‼︎
喜ぶ事ならなんでもしてやりたい。
「夏休みだし。お前、どっか行きたいとこある?」
『そ、それって〜……』
「ん?」
『デートですか…?』
「デートのつもりですけど」
『はぅっ‼︎珀疾さんとデート‼︎幸せ過ぎる〜‼︎』
電話口でも分かる惚気た声。
今すぐにでも良いから会いてぇ……。
「いつ会える?」
『あ…えっと…今週はダメです』
ちょいショック。
杏菜にも予定があるから、仕方ねぇんだけどさ。