~暁side~





本当に、十五分ほど森の中を直感で歩き回っていたら赤い彼女の家族の家に辿り着いた






「おぉ! ついた! ここだぞ!」

我家を指差して、俺の方に嬉しそうに振り返る千里






「わぁってるよ…」

そんな事わかってるから、
何か喰わせろ…飢え死にしそうだ…



俺がそう言い返すと、彼女は嬉しそうに家のドアをノックした






「“お母様”千里です!」

千里が、自分の身長より少し大きいドアに向かってそう言い、何故か沈黙が続いた。反応は全くなし…






「…千里?」

と思いきや、数秒遅れて
弱く儚い声が返ってきた





「開けますよ…」

千里がそう言いつつ開けたドアの向こうの光景に俺は目を見開いた。