どうやら、今の腹の虫は俺だけのじゃなかったらしく。


目の前で、千里が顔を赤らめている。





「お、お腹すいたな…」


「あぁ―…そうですねー。」





そういえば…

俺のご飯はお前(=人間)だけど、

人間は何を食べるんだ?

狼たちと同じで、肉類か?








「なぁ、そのバスケットの中には、何が入ってんの?」








気になった時に、フッと視線に入った

バスケットを指差した。









「これか? これは、ケーキとブドウ酒だ。
森のずっと奥の方に住んでいる、家族の為の物だから食べる訳にはいかない。」








ふぅーん。酒と菓子か。

つまんねぇなぁ…

俺、酒のめねぇーし。









「なるほど、それで行くのにどれくらいかかるんだ? その、家族の家は」










なんか、こいつ喰うの時間がかかりそうだから

先にそっちに行って、喰ってやろう。