「あーあ。バレちゃった☆」




語尾に星マークを付けるように元気に笑うナミに、私たちは目が離せなかった。



けどその笑顔もすぐ消えて。




手を対峙する柊に向かって伸ばすナミは、私たちにも聞き取れぬような小さい声で何かを呟いている。



それに反応した柊はすぐにタブレットを操作して…





ナミの手から生まれた激しい水と、柊の操作によってできた薄緑色の壁ができるのは一緒だった。




美しく光る水はなぜか床を濡らさない。




一度離れた2人は距離を取って向かい合うと、一気にまた距離を詰めてゆく。




…なぜか2人は、こんな状況なのに楽しそうにも見えてしまう。




ナミの手が大きく振られると、どこからともなく柊に向かって4つの炎が柊を囲むように四方八方から凄い勢いで向かっていく。




燃える…!な、なんで柊は逃げないのさ!?





絶体絶命の位置にいて、不利なのは明らかに柊だ。



なのに彼は落ち着いた様子でタブレットを操作し…トン、と画面を軽く押した。





刹那、火が届く寸前で分厚く強い冷気が放たれる氷の壁に囲まれる柊。





さすがに真上から火が来ていなかったおかげで、4つの炎はジュウッと言う音をして消えてゆく。