「…おい零、現在時刻」



「午後6時…開始まであと1時間半です」



「チッ…急げ、もっと走るぞ!」





…体力には、やはり自信があるけれど。



この何でも完璧男たちには、やっぱり敵わないって!




かれこれ15分ぐらい、結構な速さで薄暗い石壁の中を走り続けている。



…でも、前も後ろもなにも変わらない。




「…ちょっと、ちょ、きゅ、休憩しよ!」




「あぁ?んだよ、俺と龍矢の地位がかかってんだよ」




「俺は別にどっちでもいいけどねー」




「お前は黙ってろ!!」






柊はやはりイライラが収まらないようで、冷静な態度の零や龍矢に対してさっきから強い当たり方してる。



龍矢は…冷静というか、なんというか…




その龍矢はというと、大して使えないポイセをいじっているようだった。



目にも止まらない速さでいろいろなところをタッチして、何ケタのもパスワードを打ち込むと、ずららーっと並んだとあるページに行きついたようだった。





「さっきも言ったけど、1日限りじゃこの程度の情報だね」




「…この情報量、普通の奴だったら1週間かかるっての」




龍矢のポイセを受け取り、画面を見ながら苦笑いを浮かべる柊。