高くそびえるビルの群衆から漏れる光は、わずかで。





「…あっつい」




けれどそのわずかな日光にも関わらず、4年間住んでいたあのド田舎より暖かい気候…




爽やかな春風が吹き、鎖骨程まである黒髪をなびかせる。


髪は下ろしているけど、少し髪を取っていて…ツインテール+下ろしている髪。って感じ。



変わった髪型かもだけど、この髪型はなんだかんだ気に入ってる、うん!



ナンバーワンよりオンリーワンでしょ?
…意味違う?



遠くの方にある信号機が青く光ると、人々は歩き出し"雑踏"という言葉はこのためにあったのかと思わせる…








そしてそこから少し歩いたところにある駅に乗り、3駅目。



そこで降り、10分程人の流れに逆らって歩くと…








「…到着」








目の前にはビルの群衆…ではなく、



青々とした木の群衆。





とても大きい海沿いに広がるこの森一帯は、






私がこの3年間暮らす"鳥月宮学園"の敷地だ。








「…桜とか咲いてないわけ?

普通入学式=桜咲く!って感じじゃないの?」






そんな文句を言いながら1歩敷地内へ入った。






…気のせい、なのかな。





『__……めて』






私の中に眠っている"何か"が目覚める音がしたのは、気のせい……?




『__目覚めて………』