「ちとせちとせ!!」
ビーーーーーッと休憩のホイッスルが鳴る中で
聞こえる私を呼ぶ声。

周りを見回してみると来いと言わんばかりにこっちを向いて手を振っているのは
西村ゆいだ。


こいつはサボりの常習者でヤンキーに
なりたくてもなる根性がないやつだ。

「んー?なんやー?」
軽くドリブルをつきながらゆいの方へ向かうが
「はよこい!」にやにやしながら急かすので
走って近づいた。

「みてみて、持ってきたったー!」
周りを気にしながらリュックの中を見せてきた、そこには銀色のiPhoneが入っていた。

「持ってきたん?あほや」
まぁ、持ってきている私が言うことでもないが。

満足気にうなずくゆい。




ビーーーーーッそこで休憩終わりのホイッスルが体育館に響き渡った。