「結芽ちゃんのお弁当おいしそう!」




目を輝かせて私のお弁当を覗き込む麻生くん。
あれから、約束通りお弁当を一緒に食べている。
麻生くんも私の言いつけを守ってそれ以外の時はおとなしいし。




「適当だよ」

「え、もしかして自分で作ってるの?」

「うん」

「すごい!家庭的なんだね」



家庭的・・・。
そんなんじゃない。
ただ必要に迫られてやっているだけ。

できる事なら、やりたくなんてないよ。




「結芽ちゃん?」

「え?あ、ううん・・・」




麻生くんに声をかけられてハッとする。
いけない、暗くなってた。