「麻美さん、この世の中にはどうやら不思議なことがあるみたいです」


「何、その話の入り方は。今度はいきなり何。何の話」


「私は藤くんのことがこんなに好きなのにどうして私と藤くんの噂が立たないのでしょうか?」


「それはアレでしょ」



そう言いながら麻美さんは右斜め後ろ付近を少ししゃくれ気味の顎でクイクイと動かした。


私は振り返りその場所を確認すると、そこには愛しの藤くんとさっ佐伯さんがまた仲睦まじげに話をしていた。



「巷では藤と佐伯みどりは付き合ってるって噂だよ」


「付き合ってるまでの話になってんの!?」