「ただいま。」


と言っても返事がある訳じゃないけど、つい言ってしまう。


まぁ、返事があってもそれはそれでビックリだけどね。


何だか色んな事があって今日はとても疲れた。


つい服を着たままベッドに寝転がる。


陽日は次の休みに私の手料理が食べたいと言った。


この前みたいにお弁当を作ってどこかへ出掛けると言うのではなく、所謂、おウチゴハン。


ていうかさ、仕事手伝って貰ったお礼そこまでしなきゃダメなの?


まぁ、料理は嫌いじゃないから良いんだけどさ……。


問題はうちに来るって事よね。


陽日にうちじゃなきゃダメなの?


って聞いたら


「俺んち料理出来るような道具もスペースもないですよ。見たでしょ?」


確かに……。


キッチンと言えども簡易的なものだったしな。


第一、フライパン一つもないって言うし。


でまぁ、今週末うちに来るって事になったのよねぇ。


「俺、憧れなんですよねぇ。彼女がキッチンで料理作ってるところを後ろからギュッと抱きしめるとか。」


「刺すからね。」


そこは取り敢えず、ハッキリと言っておいたけど……結構、強引なところもあるからなぁ。


まぁ、取り敢えず定番のハンバーグかオムライス辺りで良いか。


簡単だしね。


だけど久しぶりだな。


誰かの為にうちで料理するのは。


藤枝さんと付き合ってる頃以来かな……。


不意に藤枝さんに抱きしめられた事を思い出す。


「一体…どういうつもりなんだろ……」


明日、会社にどんな顔をして行けばいいのか分かんないよ。


色んな事があって急に疲れが出た私はそのままベッドに横たわり眠ってしまった。